2017年〜2025年、コロナ禍をまたぎつつ毎年ヨーロッパを訪れたときの記録です。(2023年訪問)
バスク地方の旅で、私はずっと「本物のアサドール」を探していた。アサドールとは炭火焼き専門の食堂のこと。ビルバオの路地を歩いていたとき、煙の匂いに引き寄せられるように辿り着いたのが ASADOR INDUSI だった。🔥
扉を開けた瞬間、炭の香りと肉汁の焼ける音が迎えてくれる。テーブルに着いてメニューを眺めるより先に、もう何を頼むか決まっていた。
バスクの「アサドール」という文化
バスク地方には古くから炭火焼き文化が根付いている。アサドールは単なるレストランではなく、食に対する哲学だ。余計な調理をせず、素材と炭火だけで勝負する。シンプルであるがゆえに、素材の質がすべてを決める。
ASADOR INDUSIはまさにその哲学を体現していた。内装はシンプルで飾り気がなく、でもカウンター越しに見える炭火台は堂々としていて美しい。地元の人たちが当たり前のよう楽しんでいる光景が、この店の「本物感」を物語っていた。✨
炭火で焼かれたステーキ、その一切れ
私が頼んだのはもちろんステーキ。バスクの炭火焼きといえば Chuleta(チュレタ) が有名だが、ASADOR INDUSIでは部位ごとにしっかりした焼き方の流儀がある。運ばれてきた肉は、外側に炭の香りをまとい、断面はロゼ色に輝いていた。
🥩 塩だけで味付けされているのに、肉の旨みが凝縮されていて、噛むたびに肉汁があふれ出す。バスク牛の質の高さと炭火という調理法が完璧に合わさった瞬間だった。


ワインはもちろんバスクのものを
肉には赤ワインを合わせた。給仕のおじさんが「これにしろ」と言わんばかりに勧めてくれたリオハの赤は、タンニンがしっかりしていて炭火の香りと絶妙にマッチした。会話もスペイン語も怪しい私に、彼はにこりと笑って注いでくれた。💶
こういう瞬間こそ、旅の醍醐味だと思う。言葉が通じなくても、美味いものの前では人は笑顔になれる。


まとめ:ASADOR INDUSI基本情報
- 店名: ASADOR INDUSI
- 場所: ビルバオ(スペイン・バスク地方)
- 名物: 炭火焼きステーキ(Chuleta)、焼きピーマン
- 価格帯: ステーキ €25〜40程度(部位・重量による)
- 雰囲気: 地元民に愛される飾り気のない本格アサドール。観光地感ゼロ
- おすすめ: 地元の人と一緒に食べるのがベスト
ビルバオに来たなら、グッゲンハイム美術館だけで帰ってはいけない。本物のバスク料理を炭火で味わってこそ、この街を知ったと言えるのかも知れない。ASADOR INDUSIは、そんな体験をさせてくれる場所だ。ぜひ、煙の匂いを頼りに扉を開けて頂きたい。